コンサル事例一覧

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塗装業者のデジタル化

kintone導入で、入社1年目の社員でも、
業界平均より2.25倍の売上を達成。
年間売上が前年比131%アップした事例

CASE STUDY 事例紹介

匠建装

CLIENT お客様 株式会社匠 様

株式会社匠は徳島県徳島市に店舗を構え、外壁塗装・屋根塗装・雨漏り専門店である。1級塗装技能士、雨漏り診断士が多数在籍しており「お客様に後悔のない高品質塗装をご提供する」をモットーに、塗装の専門家としてお客様のお悩みを的確にスピーディに解決できるよう取組んでいる。今回は導入から現在に至るまでを、代表 綾大和氏に詳しくお話を伺った。

導入前の課題、kintone導入を決めた理由を教えてください

綾様:

弊社ではお客様がお住い状況やご予算に合わせて最適なサービスをお選びいただけるよう複数の塗装プラン見積書をお渡ししているのですが、その見積書を作成するのに手間と時間がかかっているのが課題でした。その上、各サービス単価が入力者によって異なったり、計算間違いがあったりする問題が発生していました。

見積書に記載する項目には工事名称や仕様などが含まれ、作成にあたり90分かかっていました。
綾様:

そんな時、船井総研から「船井ファストシステムではボタン一つで複数の塗装プラン見積書を作成することができる」と教えていただき導入を決めました。
またkintoneでお客様情報を一元管理できるというところも魅力を感じました。問合せから納品までの各業務をkintone一つで管理できれば、無駄な業務の削減につながり、さらに効率化させるための業務改善にもつなげることができると思いました。

利用しているファストシステムのトップページ

kintone導入による効果を教えてください

綾様:

複数の塗装プラン見積書の作成が今までの3分の1の時間に短縮できた点ですね。以前は複数見積書を作成するのに1お客様当たり90分ほどかかっていたのですが、kintoneを使用することで30分という短い時間で作成ができるようになりました。

インタビュアー:

作成時間が3分の1というのは大きな削減効果ですね!kintoneではどのような流れで見積書を作成しているのでしょうか?

綾様:

以前は現場調査で得た面積などの数値とプランの内容を一つずつExcelに入力し一つのプランの見積書を作成していました。これを複数プラン分作成するので、見積書作成に90分時間がかかっていました。 今は、まずはお客様との初回商談のヒアリング内容を案件管理アプリに入力するようにしています。入力が完了したら、次に「見積書アプリに登録」というボタンをクリックして、見積書を作成するための見積書アプリを開きます。この時、お客様の情報は案件管理アプリから自動で引き継がれるため、入力の二度手間が無くなりました。

反響管理・案件管理アプリの「見積書アプリに登録」ボタンを押して見積書作成を行います。
綾様:

見積書アプリを開いたら、外壁・屋根の工事について複数プランの中から見積りを提出するプランを選択します。そうすると、自動的に該当プランに含まれる商品を登録させることができます。

見積書アプリでプランを選択します。
綾様:

プランに登録されていない追加商品がある場合は手動で追加することができますし、不要な商品についても自由に削除することができます。
入力が完了したら、最後に出したい見積書のボタンをクリックすると、kintoneに入力した情報をExcelファイルにて出力することができます。

見積書はRepotone Uを使うことでボタン一つで作成することができます。
インタビュアー:

以前と比べて、
・お客様情報を転記する必要がなくなった
・見積書作成時に各プランに含まれる商品を手動ではなく自動で登録できるようになった
・ボタン一つで見積書を作成することができるようになった
という点が大幅な時間短縮ができた主な要因と思われるということですね。
システムを使って転記作業や手入力をなくすことで、大きな時間削減に繋がったんですね。

綾様:

はい。その他にも、各営業担当が抱えている案件が一目で分かるようになり、見込客への営業状況を確認し、受注阻害要因への対策を立てることができるようにもなりましたね。

インタビュアー:

ありがとうございます。営業状況を確認されているということでしたが、会議等でkintoneを利用されているということでしょうか?

綾様:

そうですね、週1回営業会議を開催し、そこでkintoneを見ながら状況確認をするようになりました。会議では、見込客に対する営業状況・受注の阻害要因・見込度が低いお客様へのフォロー状況を確認するようにしています。

インタビュアー:

それぞれどのように確認されているのか具体的に教えていただけますでしょうか?

綾様:

まず見込客への営業状況確認では、どのような営業を行ったのかを確認してフィードバックを行ったり、次回のアクションについて共有したりしています。またkintoneへの入力が少ない担当者には、営業の進め方に問題がないかを確認して、入力が足りない箇所を追記してもらうようにしています。
そうすることで営業担当者は「営業会議で状況を聞かれるので、kintoneに入力しなければいけない」という意識を持ち、お客様へのヒアリングを徹底的に漏れがない状態で実施できるようになりました。

追客中に一覧を作成し、営業会議で確認しています。
綾様:

次に受注の阻害要因ですが、営業担当全員で議論して何を提案するかなど次のアクションを会議内で決定できるようになりましたね。例えば、価格がネックで成約を決めきれないお客様がいるとき、過去同様のケースで受注できた事例はないか、受注の多い営業担当は同様のケースで何をしているのか話し合うようにしています。

阻害要因を記入することで次のアクションを話し合うことができます。
綾様:

さらに、もし直近で同様ケースの商談があれば、経験豊富な担当者に同席してもらい、お客様への提案前に商談のロープレを行っています。
最後に見込度が低いお客様の状況確認については、お客様へのフォロー漏れがなくなりました。今までは見込が低い、受注が決まるまでに時間がかかりそうだと判断したお客様に対して連絡もせず放置していることが多かったのですが、kintoneではそのようなお客様を一覧表示することができるので、その一覧を見ながら営業担当と誰がいつ何をするのかを決めるようにしています。丁寧に追客することで見込案件の総数が増え、受注数も増えました。お陰様でkintone導入後、売上も昨年対比131%アップしました。

kintoneではほしい情報を簡単に絞り込むことができます。
綾様:

また、kintone導入と同時期に入社した新人がこの取り組みによって入社11ヶ月時点で月間売上900万円を達成することができたことが嬉しかったですね。入社1年未満の社員の平均月間売上は400万円なので、比較すると2.25倍もの売上を達成しています。

インタビュアー:

入社1年目の方が月間売上900万円を達成できたというのは凄いですね!新人育成という部分にもkintoneが役に立っていて嬉しいです。導入の効果は売上にも結果として出てきておりますが、kintone導入前は売上やお客様情報などのデータはどのように管理していたのでしょうか?

綾様:

今まではスプレッドシートで管理していました。
スプレッドシートと比べてkintoneは、会社全体や担当者毎の売上・粗利・契約率・集客数がすぐに分かるのがいいですね。今月の数字や先月・昨年と比較して変動はないか、年間計画に対しての進捗など、全てkintone上で見ることができるので凄く見やすくなりました。

売上や粗利、契約率などのKPI表を設定することで見やすくなりました。
綾様:

正直言いますと最初はkintoneがややこしいと感じてしまっていて、スプレッドシートの方が慣れていて入力もしやすいし簡単だなと思っていました。しかし、kintoneは誰でも簡単に項目追加や集計の設定ができますし、分からないときは船井総研に相談しながら自分たちが使いやすいシステムへと修正することができました。

kintone導入後、お客様への対応はどのように変化しましたか?

綾様:

見積書作成の時間を大幅に削減することで、他の報告書を作成する時間を確保することができるようになりました。例えば、外壁劣化診断書の作成や、見積外の報告書関係です。
外壁劣化診断書とは、お客様のお宅を現地調査した結果報告書で、劣化している箇所や工事を行った方がよい箇所などをまとめたものです。また、見積外の報告書は工事に関連するデータや資料のことを言います。

劣化診断書を作成し、住宅の情報をわかりやすく報告しています。
綾様:

実はこのような細かい報告書はお客様満足度を上げ、受注率アップに直結します。
お客様はこのような細かい報告書を見ると安心しますし、競合企業が作成していない報告書であれば「匠さんはここまで見てくれているのか」と信頼していただけるきっかけにもなりますが、その分、報告書作成の手間はかかります。作成すれば必ずお客様満足度アップに繋がるというのは分かっているのですが、kintone導入前は必要不可欠な最低限の書類を作成するだけで手いっぱいで着手できないケースが目立っていました。それがkintone導入後は報告書作成の時間ができて必ず作成できるようになったので、結果として受注率アップにもつながりました。
また、見積書の提出も早めることができました。他社では現地調査から見積書作成までに平均10日かかる業者が多い中、弊社は遅くとも1週間以内に提出することができているため、お客様にスピード対応の速さをアピールすることができているのではと思っています。

インタビュアー:

kintone導入がお客様満足度アップにも繋がっているのですね。

最後に、今からデジタル化を進めようとしている企業様に向けてメッセージをよろしくお願いします!

綾様:

弊社の営業担当は私含め40代50代、中には60歳近い者もいます。パソコンを触ったことがない営業担当もいましたし、実際にkintoneを使い始めた頃は「これを導入して大丈夫か?」と不安に思い導入を断念しようとしたこともありました。
しかし、導入後は船井総研との定期的なWEBミーティングで、操作が分からないところを教えていただくことで少しずつ使えるようになりました。また、我々が使いにくいところを一つ一つ修正することで、段々と自社に合った使いやすいシステムになりました。
パソコン操作に疎い人でもkintoneを使いこなし、見積書作成時間の大幅削減が実現できています。最初は少し苦労するかもしれませんが、慣れると本当に便利なものになります。
弊社のようなアナログな会社でも使いこなせるようになりましたので、皆様もぜひ第一歩を踏み出してもらいたいと思います。