【コンサル業界の未来】 コンサル業界の将来性について解説!
- 02.出航編 コンサルティング業界を知る
- 2024.3.29
目次
はじめに
近年、多くの学生にとって憧れの職業の一つであるコンサルタント。
しかし、「将来性はあるのか?」「どんな懸念点があるのか?」といった疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
本記事では、コンサル業界の現状と将来性、そして懸念点についても詳しく解説していきます。
皆様の就職活動の参考にしていただければ幸いです。
コンサル業界の現状
コンサル業界の変遷
コンサル業界は1980年代頃から日本において急成長を遂げてきました。
当時は、欧米のコンサルティングファームが中心でしたが、
近年は国内のコンサルティングファームも数多く設立され、市場規模は拡大し続けています。
また、現在ではデジタル技術の発展やグローバル化の影響により、
コンサルティングサービスの内容も変化しています。
従来の経営戦略や業務改善といったコンサルティングに加え、
デジタル化支援やM&A支援など、専門性の高いコンサルティングサービスが求められています。
コンサル業界の将来性
市場規模
2022年度のコンサルティング市場規模は約1.8兆円と推定されており、
今後数年間は年平均3.5%程度の成長が見込まれています。
2030年度には市場規模が約1.9〜2.2兆億円に達すると予測され、需要が伸びつづけています。
(参考:日本のコンサルティング市場規模将来予測(2023‐2030)|コンサル市場規模2023年版~後半~)
職種別の将来性
職種別コンサルタントの将来性・課題についても見てみましょう。
戦略系コンサル
■ 将来性:
経営全体を見渡した戦略策定や実行支援は、企業にとって常に重要であり、今後も高い需要が見込まれる。
■ 課題:
競争が激しく、高度な分析力や問題解決能力に加えて、リーダーシップやコミュニケーション能力も求められる。
IT・DXコンサル
■ 将来性:
デジタル化やDX推進のニーズの高まりにより、今後も市場規模は拡大していく。
■ 課題:
技術知識だけでなく、ビジネスへの理解やコンサルティングスキルも必要となる。
経営コンサル
■ 将来性:
企業の経営課題は多様化しており、幅広い知識と経験を持つコンサルタントへの需要は今後も続く。
■ 課題:
専門分野の細分化が進み、特定領域の深い専門知識が求められる。
人事コンサル
■ 将来性:
人材不足や働き方改革など、人事に関する課題は今後も増加していく。
■ 課題:
人事に関する専門知識だけでなく、組織変革や人材育成に関するスキルも必要となる。
財務コンサル
■ 将来性:
企業の財務体質強化やM&Aなど、財務に関するニーズは今後も高い。
■ 課題:
財務諸表分析などの専門知識に加えて、財務戦略策定や実行支援スキルも必要となる。
以上のようにどの職種のコンサルも高いニーズがありますが、
現状のままでは生き残るのが難しく、高度な専門知識や幅広いスキルが必要になることが予想されます。
ESG経営の高まり
近年、環境や社会やガバナンス(ESG)への意識の高まりから、ESG経営への取り組みが急加速しています。
この変化はコンサル業界に大きな影響を与え、新たな成長機会と同時に、克服すべき課題も提示しています。
ESG経営がコンサル業界に与える影響
1. コンサルティングサービスの需要拡大
ESG経営は企業にとって複雑で専門性の高い領域であり、多くの企業はコンサルタントの支援を求めるでしょう。
特に、ESG戦略の策定、ESG評価の導入、サステナビリティ報告書の作成などの分野で、
コンサルティングサービスの需要が拡大すると予想されます。
2. 新たな専門領域の創出
従来のコンサルティングサービスに加え、
ESG経営に関する専門知識を必要とする新たな領域が生まれ、
ESGコンサルタントと呼ばれる専門職も誕生しています。
ESGコンサルタントは、環境、社会、ガバナンスに関する幅広い知識と、
企業の課題解決能力を兼ね備えた人材が求められます。
ESG経営はコンサル業界にとって大きな変革をもたらす可能性を秘めています。
変化に適応し、新たなスキルを習得することで、コンサルタントはESG時代を生き抜くことができるでしょう。
今後の業界課題
コンサル業界は華やかなイメージとは裏腹に、近年、以下の2つの懸念点に直面しています。
懸念点1:コモディティ化
IT技術の発展によりコンサルティングサービスへの参入障壁が低くなり、コンサルティングサービスのコモディティ化※が起こり、価格競争が激化しています。
従来のフレームワークや分析スキルだけでは差別化が難しくなり、
高度な専門知識や分析力、コミュニケーション能力に加え、AI活用やDX支援、ESG経営など、
新たな専門分野への進出が求められています。
※コモディティ化……市場に似たような商品があふれ、商品同士の価値に差がなくなること。一般化。
懸念点2:AI等最新技術の台頭
AIなどの技術革新により、単純な分析作業は人工知能等のテクノロジーに代替される可能性が高くなります。
コンサルタントは、データ分析スキルだけでなく、複雑な意思決定を支援する能力や、
クライアントの組織特性を理解したアドバイスを提供する能力など、より高度なスキルを磨く必要があります。
さらに、AIを活用してより高度な価値提供を行うことも可能になるでしょう。
これらの課題を克服し、将来性のあるコンサルタントになるためには、
変化に適応し、常にスキルを磨き続けることが重要です。
まとめ
コンサル業界は、企業の成長や社会課題の解決に貢献する重要な役割を担っておりますが、
同時に、コモディティ化やAI等の最新技術の台頭など、多くの課題に直面してもいます。
これらの課題を克服し、将来性のあるコンサルタントになるためには、
変化を恐れず積極的に新しい知識やスキルを習得し、高い倫理観を持って仕事に取り組むことが重要です。
コンサルタントという仕事は、決して楽な道ではありません。
しかし、努力すれば大きなやりがいを得られる仕事です。
コンサル業界の華やかなイメージだけでなく、将来性と課題をしっかりと理解した上で、
自分に合った職業かどうかを考えることが重要です。
皆さんの職業選択が後悔のないものになることを祈っています!